帯状疱疹ワクチンの勧め

 帯状疱疹は、体のいろいろな場所(片側)に神経に沿って赤い発疹を生じ、ピリピリとした痛みと痒みで苦しむ病気です。これは子供の頃に罹患したみずぼうそう(水痘)ウイルスが体の奥に残っていて、加齢や体力低下、ストレスや免疫力の低下した場合などに、再びウイルスが活性化して起きる病気です。診断が早くつけば内服薬(抗ウイルス薬)や塗り薬で治療し、多くは完治しますが、時に後遺症として患部の痛み(帯状疱疹後神経痛)が残ることがあります。この痛みは慢性化して非常に辛い場合があります。近年、子供向けの水痘ワクチンが定期接種されるようになり、水痘に罹患するお子さんが激減、その影響で大人たちも(ウイルスに暴露されて)水痘に対する抗体が昔のように維持されなくなり、帯状疱疹にかかる人が増えています(80才までに3人に1人がかかると言われています)。最近、遺伝子工学により優れた帯状疱疹ワクチンが開発され、50才以上の方に推奨されるようになりました(商品名:シングリックス)。2ヶ月開けて2回接種します。当院の費用は1回21000円、2回で42000円かかりますが、高齢者は接種を検討する価値があるでしょう。

 

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