ヘルパンギーナと手足口病 (Herpangina & Hand-Foot-Mouth Desease)

 夏風邪のシーズンがやってきました。当院にも発熱、のどの痛み、手足の発疹を訴え来院するお子様が急増しています。特徴はのど(特にのどちんこ周辺)にできる水泡と潰瘍で、食べるとしみて痛いため柑橘類やしょっぱいもの、熱いものなどが食べられなくなり、よだれが多くなったり元気がなくなったりします。発熱とのどに症状が限定しているのがヘルパンギーナという病気で、発熱とのど、手足に水疱性発疹ができるのを手足口病と言います。原因となるのはエンテロウイルスというウイルスです。エンテロとは腸管という意味で、ウイルスが腸で増殖し糞便などを介して容易に感染します。潜伏期は1週間以内、数週間に渡って糞便中に排出されます。エンテロウイルスには多くの型があり、ヘルパンギーナを起こすのはコクサッキーウイルスA群、手足口病はコクサッキーウイルスA群、B群、エンテロウイルス71型が関与します。インフルエンザなどのような診断用簡易キットは無く、症状から診断します。有効な薬はありませんが、殆どが1週間程度で自然に治りますので、食べやすい食事と解熱剤など対症療法となります。学校感染症の第三種に指定されていますが、厳密な登校制限はありません。しかし、熱性けいれんを起こしたり稀に髄膜炎や心筋炎を起こすことがありますので一度は診察にいらして下さい。手足の発疹がひどく、引っ掻いてしまって細菌感染になることもあります。熱が高かったり、発疹がひどいお子様は登校を控えましょう。今年は全国的に手足口病が大流行となっています

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