当院では主に次の疾患を対象とした
診療を行っています。

感染症

① かぜ症候群(上気道炎)

 のどの痛み、発熱、鼻水、くしゃみ、咳やたん、喘鳴などの症状を生じます。原因の殆ど(80〜90%)がウイルス性ですが、溶連菌、肺炎球菌、マイコプラズマなど、抗生物質が有効なものもあります。対症療法が主体で、鎮咳去痰薬、気管支拡張薬、抗アレルギー薬、鎮痛解熱薬などを処方します。

② 急性肺炎

 発熱、咳嗽、呼吸苦、喘鳴などが症状で、がぜ症候群より重症です。胸部レントゲン、血液検査、喀痰検査などを行います。白血球や炎症反応(CRP)の上昇、膿性痰など、細菌性肺炎あるいはマイコプラズマ肺炎などが疑われる場合は抗生物質で治療します。大人の肺炎は約4分の1が肺炎球菌が原因となりますが、肺炎ワクチンで予防することが可能で、65歳以上の高齢者には接種が推奨されています。

③ インフルエンザ

 秋〜冬に流行し、高熱、全身倦怠感、関節痛、筋肉痛などが数日続きます。肺炎や脳炎、心筋炎などを起こし重症化する場合もあります。臨床症状、迅速検査で判定します。近年では即効性のある治療薬が開発されていますので、早めに受診して下さい。

④ 急性胃腸炎

 腹痛、下痢、吐気、発熱などが症状です。ウイルス性が多く、対症療法として整腸剤や制吐剤などで治療します。脱水症状を伴っている場合は点滴が有効ですが、ご家庭ではイオンや糖分を調整した経口補水液(OS-1など)がお勧めです。

⑤ 急性膀胱炎

 頻尿、排尿痛、尿混濁、血尿、膿尿などが症状です。尿検査、血液検査で診断します。高齢者や糖尿病の方では重症になりやすく、腎盂腎炎や敗血症を発症し高熱や腰痛が生じます。原因は大腸菌や緑膿菌などが多く、抗生物質や点滴で治療します。

生活習慣病

① 高血圧症

 日本人の多くが加齢とともに高血圧症を発症します。安静時血圧が平均して収縮期で140mmHg以上、拡張期で90mmHg以上の方は、脳卒中や心筋梗塞、腎不全などの合併症になりやすく、治療が必要となります。家庭用血圧計でしばらくの間、毎朝血圧を測定してみてください。食事療養(塩分制限)や運動療法で正常化しない場合は降圧剤を服用します。

② 高脂血症(脂質異常症)

 血液検査で、総コレステロール、LDL(悪玉)コレステロール、中性脂肪の値が正常より高い場合、HDL(善玉)コレステロールの値が正常より低い場合は心筋梗塞、脳梗塞など動脈硬化(血管の老化)による病気を起こしやすく、食事療法、運動療法、薬物治療が必要です。LDLコレステロールの値は薬剤で良く低下しますが、中性脂肪の値は薬剤ではあまり下げることはできず、食生活や飲酒などの見直しが最も重要となります。

③ 糖尿病

 空腹時血糖値(正常:110mg/dl以下)、あるいは血中HbA1c値(正常:6.1%以下)が高い場合、糖尿病が疑われます。糖尿病は初期には自覚症状が殆ど無く、無症状のうちに合併症が発展しやすい疾患です。健康診断などで異常値を指摘された方は、食事療法、運動療法、薬物治療、インスリン治療などその人に合った治療で血糖値を適正化する必要があります。有名な3大合併症として、網膜症、腎症、神経障害があり、失明、人工血液透析、手足の慢性疼痛などの原因となります。急性心筋梗塞や心不全、脳卒中、足の壊疽など生命を脅かす病気も高頻度に合併します。

④ メタボリックシンドローム

 肥満や運動不足が原因で内臓脂肪が蓄積し、高血圧症、高脂血症、糖尿病などを合併した状態です。ウエスト周囲径が男性で85cm以上、女性で90cm以上が目安となります。食養生や運動習慣など生活習慣の是正により内臓脂肪を減らせば病気は改善します。高血圧症、高脂血症、糖尿病、肥満の4つが合併すると急性心筋梗塞などで高頻度に突然死に至るため、これを「死の四重奏」と言います。

⑤ 痛風(高尿酸血症)

 尿酸値が男性で7.0mg/dl以上、女性で6.0mg/dl以上の方は要注意です。痛風発作や尿路結石発作などの原因になります。プリン体(お酒や肉など)を控え、薬物治療を行います。

⑥ 慢性腎不全

 尿に蛋白や潜血を認めたり、血液検査でクレアチニン値やeGFR値(推定糸球体ろ過量)が高値の人は、将来人工血液透析になる可能性があり、塩分や摂取蛋白質を控える必要があります。

⑦ 消化器疾患

 慢性胃炎、胃潰瘍、逆流性食道炎、慢性腸炎、便秘症、などは薬剤で症状を緩和したり生活の質を保つことができます。

⑧ 呼吸器疾患

 喫煙や職場の粉塵などで肺気腫、COPD(慢性閉塞性肺疾患)をきたすことがあります。慢性的な息切れ、咳やたんを認める場合は一度ご相談ください。肺機能をチェックし適切な薬物治療をお勧めします。

⑨ 肝臓病

 肝炎ウイルス(HBVHCV)や飲酒による慢性肝障害は発癌や肝硬変へと発展します。近年高度肥満などによる非アルコール性発癌(NASH)も要注意です。当院では血液検査、腹部エコーでスクリーニングし、専門医へ紹介いたします。

心臓病、血管疾患

① 虚血性心疾患

 狭心症、心筋梗塞、ステント植え込み後、冠動脈バイパス術後、異型狭心症(冠スパスム)など。心電図、心臓超音波検査、胸部レントゲンなど当院で検査します。抗血小板薬や冠拡張薬などを処方します。

② 心不全

 様々な原因(心筋梗塞、弁膜症など)による慢性心不全。労作による息切れ、顔面や下肢浮腫、体重増加などが生じます。塩分や水分制限が必要ですが、薬剤としては利尿剤やβ遮断薬、ACE阻害剤というお薬を調節して治療します。血液検査で簡単に測定できるBNP値は心不全重症度の良い指標になります。

③ 不整脈

 期外収縮、心房細動、ペースメーカー植え込み後など。多くは無症状で、動悸や脈の結滞感、めまいなどを生じる場合があります。近年心房細動は増加しており、重症脳梗塞の原因となるため、その予防薬として抗凝固薬というお薬を服用します。当院ではホルター心電図を実施し診断に勤めています。

④ 心筋症・心筋炎

 肥大型心筋症、拡張型心筋症、慢性心筋炎など。心臓の筋肉が肥大したり逆に菲薄化して、心機能が低下したり重症不整脈が生じたりします。β遮断薬や抗不整脈剤等を調節して治療します。

⑤ 閉塞性動脈硬化症

 症状としては間欠性跛行(休み休みでないと長く歩けない)や下肢冷感が特徴です。運動療法、薬物治療、禁煙が有効です。

⑥ 下肢静脈瘤

 下肢静脈エコーで診断、多くの方は弾性ストッキングで保存的に治療します。外科的治療が必要な場合は専門医へ紹介いたします。

アレルギー性疾患

① 気管支喘息

食物や花粉、体質、環境因子などで誘発される喘鳴発作には適切な診断、治療が大切です。吸入ステロイド、気管支拡張薬、抗コリン薬などを組み合わせ治療します。

② 花粉症

くしゃみ、鼻水、目のかゆみなどに対する薬物治療(抗ヒスタミン薬、点眼薬、点鼻薬など)を行います。

③ 蕁麻疹、アトピー性皮膚炎

食物や環境因子などに曝露後15〜30分で誘発される膨隆疹(即時型アレルギー)には適切な診断、治療が必要です。また、遅延型アレルギー(48時間後が症状のピーク)のであるアトピー性皮膚炎には適切なスキンケアが大切です。抗ヒスタミン剤、ステロイド軟膏、保湿薬、漢方薬などを処方、指導いたします。

その他の大人の疾患

頭痛、脳梗塞後遺症、鉄欠乏性貧血、骨粗鬆症、前立腺肥大症、などの治療に対応いたします。

お子様の病気

 小さなお子様はよく風邪を引きますが、中にはインフルエンザウイルス、RSウイルスや百日咳など重症化するものもあります。インフルエンザウイルス、アデノウイルス、A群溶連菌、ヒトメタニューモウイルス(hMPV)、RSウイルスなどは迅速検査で診断可能です。溶連菌感染症、咽頭結膜熱、手足口病、ヘルパンギーナ、水ぼうそう、突発性発疹、伝染性膿痂疹(飛びひ)、尋常性疣贅(水いぼ)、川崎病などの診断、治療を行います。当院では京都第一赤十字病院小児科と連携し、入院が考慮される場合などにご紹介いたします。

当院の対応について

1)患者さんが受診されている他の医療機関および処方されている医薬品を把握し、必要な服薬管理を行いカルテに記載します。必要に応じ医師の指示を受けた看護師が情報の把握を行います。                                        2)専門医師又は専門医療機関へ紹介します。                                          3)健康診断の結果等の健康管理に係る相談に応じます。                                     4)保険・福祉サービスに係る相談に応じます。                                         5)緊急時に対応します。

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